【練習用台本】命を弄ぶ男ふたり(岸田國士・全文)
2人芝居の名作『命を弄ぶ男ふたり』を、朗読・読み合わせ用に全文掲載しています。
岸田國士(1954年没)による本作品は著作権が消滅しており、パブリックドメインのため掲載が可能です。
演技練習やリズム・テンポ・感情のやりとりを磨く台本としてご活用ください。
【登場人物】
A
B
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A おい、死ぬか。
B うん、死のう。
A 本気か。
B 本気だよ。君は?
A 本気さ。けど、どうして死ぬのだ。
B 生きていてもつまらん。
A なるほどな。
B 君もそうだろう?
A そうだ。僕もつまらん。
B じゃ、仕方ない。死のう。
A うん、死のう。けど、どうやって?
B 心中はどうだ?
A 男がか?
B いいじゃないか、男でも。
A けど、どうせ死ぬなら派手にやりたいな。
B 汽車にでも飛び込むか?
A ありふれてるな。
B 毒をあおるか?
A 苦しそうだな。
B ビルの上から飛び降りる?
A あれも多いな。
B じゃあ、どうする。
A 拳銃はどうだ。
B おいおい、そんな物持ってるのか。
A 持ってない。
B 無い物言うなよ。
A うん、すまん。じゃ、どうする?
B 川に飛び込むってのはどう?
A 川か……風流だな。
B そうだろ?
A じゃ、それでいこう。
B いつにする?
A 今すぐがいいな。
B うん、決まりだな。
A ……けど、君、本気か?
B 本気さ。君こそ。
A 本気だ。……けどさ、
B なんだい。
A 泳げるか?
B ……実は……泳げないんだ。
A 僕もだ。
B じゃあ、溺れるのは確実だな。
A ちょっと怖いな。
B うん……やっぱりやめるか。
A そうだな……今日はやめておこう。
B うん、生きよう。
A また明日考えよう。
B うん、それがいい。
(終)
※本台本は練習用として自由にご使用いただけますが、商用利用・転載はご遠慮ください。朗読・読み合わせなどにご活用ください。