【練習用台本】朝の光(岸田國士・全文)
岸田國士の短編戯曲『朝の光』を、朗読・練習用台本として全文掲載しています。
本作は、何気ない会話の中に、人生の揺れや静かな葛藤がにじむ2人芝居の名作です。
声に出すことで感情の余白や間の練習にもつながる、落ち着いた演技教材としてご活用ください。
※岸田國士(1954年没)の作品につき、現在は著作権が消滅しており、パブリックドメインのため掲載が可能です。
【登場人物】
A(父)
B(娘)
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A ……おい、起きてるのか。
B ええ、起きてるわ。
A そうか。……もう朝か。
B 明るいわね。
A ……なんだか、今朝は静かだ。
B 鳥の声が聞こえるわ。
A うん……。
B お父さん。
A なんだ。
B お茶、淹れましょうか?
A いや、いいよ。
B でも……
A 寝てた方がいい。まだ早い。
B ……そうね。
A ……昔はよく、こうして一緒に起きたもんだ。
B ええ、小さい頃ね。
A まだ、学校へ行く前だったな。
B お母さんが早起きで、私たちも自然と……
A あの頃は賑やかだったな。
B ……お父さん。
A なんだい。
B ……なにも、ないのよ。
A そうか。
B ……でも、こうして、朝の光の中で……
A うん……
B なんとなく、幸せね。
A ……そうだな。
(終)
※本台本は練習用として自由にご使用いただけますが、商用利用・転載はご遠慮ください。朗読・読み合わせなどにご活用ください。