自称俳優図鑑──愛すべき自称俳優たち

「好きなことをして生きていけたらええな」──そう願ったはずなのに、いざ自由になると動けなくなる。
その“空白の恐怖”こそが、この本の出発点である。
『ポカンの恐怖──ピコンが生まれる場所』は、「自由の裏にある沈黙」と「ひらめきが生まれる瞬間」を、声優講師Kaoriが自らの創作と生活を通して描き出した思想エッセイである。
誰もが憧れる“時間も場所も自由な生き方”。
しかし、決めてくれる他者がいなくなった瞬間、人は驚くほど無力になる。
朝、何をすればいいのかわからない。
SNSを見ても心がざわつくだけ。
焦りと停滞が入り混じる「ポカン」の状態。
けれど、その沈黙の奥にこそ「ピコン」という小さな雷が眠っている──。
そう語る著者は、創作と内省を重ねる中で、“もがき”や“未熟さ”の中にしか現れない光を見つめ続けてきた。
本書は、わかりやすさに支配された社会で、「わからなさ」と「抽象」に価値を取り戻す試みでもある。
伝統芸能や教養、日常の整頓、創作の過程など、多角的な切り口から「ピコンが降りる生活」を探る構成となっており、読むうちに“自分の中の沈黙”と向き合うような感覚を呼び起こす。
「意味のないものの中にこそ、ほんまの意味が眠っている」
──この一文がすべてを物語る。
自由の先にある静かな地獄を知り、それでもなお光を見つけたい人へ。
『ピコン哲学──不意に訪れる雷の仕組み』に続く“内的革命シリーズ”第二作。
あなたの中にも、きっとピコンは訪れる。
ポポッ。