自称俳優図鑑──愛すべき自称俳優たち

声は、喉から出ているわけではありません。
多くの人はそう思い込み、口や舌を鍛え、腹を締め、姿勢を正そうとします。しかし、声の土台はもっと後ろにあります。
背中です。
背面が動くと、胸郭が自然に広がり、呼吸が入り、腹圧が立ち、声は無理なく安定していきます。腹筋は固めるものではなく、本来は“立ち上がる”ものです。
背中が使えていない状態では、前面だけで支えようとして苦しくなり、足を組みたくなったり、頬杖をつきたくなったりします。その結果、呼吸は浅くなり、声も不安定になります。
一方で、背面が目覚めると、前面は自然に整います。無理に力を入れなくても、身体のバランスが静かに整っていきます。
本書では、声の出どころの再定義から始まり、肩甲骨の可動と呼吸の関係、立ち姿が現場に与える影響、呼吸と自律神経のつながり、そして「巡る身体」が「巡る声」を生む仕組みまでを、実体験と身体構造の視点からやさしく解き明かします。
特別なトレーニングは必要ありません。強くなる必要もありません。背中が柱として機能し始めたとき、声は自然と落ち着き、無理なく前に届くようになります。
見えないところが整うと、見えるところが変わる。それは声だけでなく、立ち方や在り方にもつながっていきます。
声を整えたい人へ。長く現場に立ち続けたい人へ。
ポポッ🐦✨
前やないで、後ろが通ったら声は勝手に前に出るんや。