目が覚めて、布団の中から「おはよう」と言ってみる。
でも、出てきたのは、少しかすれた音。
なんだか、自分の声ではないように感じる朝があります。
朝、声がうまく出ない。
それだけで、「今日は調子が悪いのかな」と思ってしまうことはありませんか。
けれどそれは、異常でも、老化でもなく、むしろとても自然なことかもしれません。
声は、筋肉の動きであり、呼吸の通り道であり、そして何より、気持ちの影響を受けやすいものです。
朝、声が出にくいのは、まだ身体が整っていないから。
でも、それだけではありません。
もしかすると、まだ心が起きていないのかもしれません。
たとえば、こんな朝はありませんか。
- まだ誰とも話したくない気分の朝
- 一人で静かにコーヒーを飲んでいたい朝
- 仕事のことを考えると、少し喉が詰まるように感じる朝
そんな日は、無理に声を出そうとしても、どこかぎこちなくなります。
言葉だけが先に出て、気持ちが追いつかないような感覚になることもあります。
「声を出す」というのは、ただ音を鳴らすことではありません。
今の自分を、外に差し出すこと。
だから、心の準備ができていないと、声は自然には出てきてくれません。
私の場合、朝いちばんに「話せる感じ」になるまでに、少し時間がかかります。
- ゆっくり起きる
- 白湯を飲む
- 軽く身体を動かす
- 窓を開けて、外の空気を感じる
- 小さく「おはよう」と口に出してみる
この時点では、まだ完全なおしゃべりモードではありません。
けれど、「今日の自分」に少しずつ会えている感じがします。
そのあと、日常の中で誰かと一言、二言交わすうちに、だんだんと声がなじんできます。
「ああ、これが今日の自分の声なんだな」と思える音になっていくのです。
無理に元気な声を出そうとしなくても大丈夫です。
話す気になれないときは、心がまだ「ひとりの時間を過ごしたい」と言っているのかもしれません。
声が出るまでの時間は、心が目を覚ます時間でもあります。
それを知っているだけで、朝の焦りは少しやわらぎます。
今日、あなたの声は何時に目覚めましたか。
もし、まだなら。
もう少し静かに、じっくり、自分を待ってみてもいいかもしれません。