声優になりたいと思ったとき、まず一度、立ち止まって考えてみてほしいのです。
その憧れは、本当に自分のものなのでしょうか。
メディアによって憧れさせられただけではないのか。足りない何かを埋めるために、「声優」という言葉を利用しているだけではないのか。夢から覚めても、なお声優になりたいのか。
ここを曖昧にしたまま進むと、人は少しつまずいただけで簡単に揺らぎます。
だから、本当に声優でなければならない理由が明確になるまで、たった一人で考え続けてみてほしいのです。自分ひとりで、その答えを出してみてほしいのです。
答えが出たなら、迷わず進めばいい
そのうえで、やはり声優なのだと思うなら、迷わず進めばいいのです。
技術はいくらでも学べます。適切な訓練を積めば、表現は磨かれます。上手くなることもできます。
けれど、自分がなぜその道を選ぶのかが曖昧なままだと、些細なことで折れます。落ち込みます。腐ります。投げやりにもなります。
先に問うべきなのは、「なれるかどうか」ではなく、「なぜそれをやりたいのか」です。
人と比べても、答えは出ない
周囲の同じようなレベルの人と自分を比べることに、あまり意味はありません。
なぜなら、あなたは最初から唯一無二の表現者だからです。
表現の世界では、他人との比較に夢中になった瞬間に、自分から遠ざかることがあります。
もちろん、刺激を受けることや学ぶことは大切です。でも、比べて焦ることと、学んで磨くことはまったく別です。
演技の入り口は真似でもかまいません。誰かに憧れ、誰かをなぞるところから始まるのは自然なことです。
でも、いつまでも同じところに留まっていてはいけません。
どこかの誰かになるために、この道を選ぶのではないはずです。
本当に向き合うべきなのは、自分です
本当に向き合うべきなのは、自分です。
自分なのに、自分のはずなのに、自分のことがわからない。これは一見おかしなことのようでいて、実は多くの人がそこを曖昧にしたまま生きています。
だからこそ、自分の内側を見なければなりません。
真の自己と、偽りの自己を見極めること。胸がざわつくときは、立ち止まってよく考えること。
考えてもわからないとき、人はすぐに誰かに答えを求めたくなります。誰かに「向いている」と言ってほしくなるし、誰かに「それでいい」と決めてほしくもなります。
でも、こういうときこそ楽なほうに流されず、うんうん唸りながら、自分の深層を見続けたほうがいいのです。
そこを通らずに出した答えは、あとでぐらつきやすいからです。
魅力の源泉は、すでに内側にある
あなたの魅力の源泉は、すでに内側に存在しています。
どこかから何かを持ってきて飾り立てるものではありません。
ありのままを現すことができれば、それが答えになります。
それが、あなた独自の魅力であり、オーラであり、他の誰にも真似できないものです。そもそも、真似してはいけないものでもあります。
表現とは、上手に何かを足していくことだけではありません。余計なものを剥がし、自分にしかないものが見えるところまで降りていくことでもあります。
澄んだ心で進めないなら、どこかを見直したほうがいい
迷いがなく、澄んだ心で進めないのなら、どこかで本質から外れていると見ていいのかもしれません。
不安があること自体は悪いことではありません。でも、いつまでも濁ったまま進んでいるなら、一度立ち止まって、自分の動機を見直したほうがいい。
その道が本当に自分のものなら、苦しくても、しんどくても、どこかに静かな納得があります。
他でもない、自分でしょ。しっかり見よう。自分のことを。