ナレーションが上手くなりたいと思ったとき、「自分らしさ」や「個性」を大事にしたいと考える人は多いかもしれません。
しかし、その「個性」こそが、成長を妨げている場合もあります。
癖を徹底的に排除すると、宝物が残る
ナレーション、朗読、歌。
どの分野でも、訓練段階で最も大切なのは「癖を取ること」です。
これは個性を消すためではありません。むしろその逆です。
癖を削ぎ落としていく過程で、本当に大切な「その人にしかない魅力」が残ります。
それが、誰にも真似できない本来の個性です。
癖があると、なぜいけないのか
癖とは、無意識に出てしまう発音の偏りや話し方のパターン、リズムの偏りなどを指します。
一部の人には強く響くこともありますが、癖が強いほど受け手を選びます。
プロとして、誰にでも安定したクオリティを届けるためには、
まず「癖を取り除く力」を身につけることが不可欠です。
個性は作るものではなく、残るもの
「上手く聞かせたい」「憧れに近づきたい」
そうした意識が強くなるほど、かえって声は不自然になりがちです。
個性とは、意図して作るものではありません。
磨き抜いたあとに自然と残るものです。
個別指導と集団指導の違い
マンツーマンの指導では、語尾や間など細かな修正が可能です。
一方、複数人を対象とした講座では、どうしても抽象的な指導が中心になります。
だからこそ、自分自身で癖に気づき、修正していく力が重要になります。
癖を抜く練習と、表現のための癖は別物
練習段階では、徹底的に癖を取り除くことが大切です。
そのうえで、作品に入ったときに役や世界観に合わせた表現として、
必要な癖を意図的に加えることができます。
基礎が整っていない状態での癖はノイズですが、
整ったあとに加える癖は表現になります。
まとめ:癖を抜く勇気が、個性を育てる
癖を抜く作業は地味で、時に苦しく感じるかもしれません。
しかし、その積み重ねの先に、本来の個性が現れます。
癖を抜くことは、あなたらしさを消すことではありません。
むしろ、あなたをよりあなたらしくするための過程です。