72点のまちがいは、街が嫌
72点の通知表、
裏返したのは風のせい。
でもな、
この街はそれを「まちがい」って呼ぶ。
静かすぎる声、
遠すぎるまなざし。
階段の途中で足を止めた君のことを、
“なぜ止まった”としか言わん。
この街は、「正しさ」しか聞こえない。
この街は、「音程」が正しくないと歌を止める。
だけど72点のまちがいは、
夜中にだけ咲く花の名前を知ってる。
「見つからんままでも、生きてるよ」
そうつぶやいたのは、
自動販売機の横にいた猫やったかもしれん。
72点は、間違いじゃない。
72点は、この街の“採点”に合わへんだけ。